ヒューマンケアの事例紹介Example
依頼者不在の案件・依頼者了承を得た案件のみ掲載をしています
特殊清掃 遺品整理 消毒・消臭 害虫駆除
孤独死処理事例まとめ編⑲
孤独死が発生し、重度の汚染が発生してしまった案件。
本件は、二件とも、故人が畳敷きの和室に倒れていたケース。
近年の建物は、畳敷ではなくフローリングであることが多い。
フローリングは、水気に強く、ダニの発生もなく、掃除もしやすく、衛生的。
また、色柄や質感も、多種多様で、選択肢も多い。
一方の畳はその逆。
もちろん、畳には畳の良さがあり、フローリングにはない機能や、その他の長所もたくさんある。
しかし、耐水性は低く、吸水性は高く、手入れを怠ると、不衛生になりやすい、
理想の死を形容して、「最期は畳の上で・・・」と言われた時代もあったが、今は昔。
事と次第によっては、そんなこと言っていられないときもあるのである。
①高齢男性の孤独死【千葉県松戸市】
汚物の梱包撤去はお任せください!
現場は、古い木造アパートの一室。
そこで暮らしていた高齢男性が孤独死。
無職の年金生活者で、社会との関りは希薄。
知人や近所の人など、人付き合いはもとんどなし。
結果、発見は遅れ、遺体の腐敗は進行。
部屋の中央、敷かれた畳に大きな汚染を残してしまった。
畳三枚には重度の汚れが浸透付着。
その畳はもちろん、畳はすべて撤去処分。
しかし、それだけでは済まず、遺体液は畳の下の床板にまで浸透付着。
それほど大きなシミではなかったが、清掃復旧は不可能で、交換は必須。
その旨を大家に伝えると、「老朽アパートにつき、部屋を改修して新規住人を募集するかどうか考えているところ」とのこと。
ただ、「遺体汚染が残っていると気になるので、その部分は片付けてほしい」とのことで、床板については、汚れている部分だけを切り剥がすことになった。
故人は、もう何十年も、一人でこのアパートに暮らしていた。
大家は、アパートの近くに家があり、故人とも長年の顔見知り。
晩年、故人の収入は年金のみとなっていたが、家賃の滞納も近隣トラブルもなく、大家にとって故人は良い店子で、少なからず情もあるようだった。
この部屋の家賃収入が途絶えるのは本意ではなかったが、欲をかく必要もなければ、焦らなければならない事情もなし。
部屋を改修するにしろ、空室のままにしておくにしろ、急いで結論をだす必要はなかった。
家族で暮らす大家と、一人で暮らしていた故人とでは、境遇は、まったく違っていた。
また、大家と借主として、古い顔見知りではあったが、特段、親しい付き合いをしていたわけでなし。
その辺で顔を合わせれば、短い挨拶を交わす程度で、立ち話をすることもなし。
共通するのは、「年齢が近い」ということくらい。
そんな大家は、故人の死をヒドく悼んでいるとか、ヒドく悲しんでいるとか、そんな風ではなかったけど、どこか、遺体が腐敗するまで気づかなかったことを悔やんでいるよう。
「アカの他人」ながら、身近で起こった同年代の孤独死に、悲哀と同情心を抱いているようでもあった。
一連の作業が終わると、部屋は空っぽに。
畳はすべて撤去され、汚れた床板も切除。
ポッカリと空いた床の穴は、故人が孤独死した事実と大家の心情を象徴しているかのようで、「心の穴」のようにも見えた。
同時に、その光景は、「人生には終わりがある」ということを語っているようにも見えた・
最後、部屋を引き渡す際、大家は、「終わりましたね・・・ありがとうございました」と礼を言ってくれた。
そしてまた、「ただ、何となく淋しいものが残りますね・・・」と、感慨深げに床の穴を見つめていたのだった。
作業場所 | 古い木造アパート |
---|---|
依頼内容 | 家財等の梱包搬出、特殊清掃、簡易消臭消毒、畳の撤去 |
作業時間 | 5時間 |
作業人数 | 2名 |
作業料金 | 78,000円(税別)ごみの処分費は別途 |
松戸市周辺の対応地域
東京都葛飾区 江戸川区 埼玉県三郷市 市川市 鎌ケ谷市 柏市 流山市
②アパートの住人が孤独死【千葉県野田市】
孤独死現場の片づけはヒューマンケアにお任せください!
現場は賃貸アパートの一室、間取りは2DK。
その和室で住人が孤独死。
遺体は、腐敗はそれなりに進行。
畳には、大きな遺体汚染が広がり、部屋中に異臭が充満。
ただ、外部への異臭漏洩はなく、ハエも少数で、幸い、近隣から苦情はきていなかった。
依頼者は、このアパート管理する不動産会社。
大家は、アパートの隣に居をかまえていたが、顔を出してこず。
大切な自分の財産(不動産)で起こったことだから気にはなりつつも、人の死に関わることだから、直接的には関わりたくなかったのだろう。
故人がどうこうということではなく、「死」というものは忌み嫌われやすいものだから仕方がない。
で、管理を任せている不動産会社に事の始末を一任していた。
残された家財を確認すると、全体的に質素。
ただ、独身者用にしては、やや大きすぎる冷蔵庫。
フライパンや鍋、食器類も、一人暮らしにしては多め。
押し入れには、一組あれば充分のはずの布団も、何組か収納。
一人暮らしのわりに家財は多く、このアパートに越してくる前は、もっと広いところに住んでいたことが想像された。
遺体の腐敗は軽くなかったものの、特殊清掃は、それほど困難なものにはならず。
遺体系不衛生物が付着し、遺体液が浸み込んだ畳は、どうやったって再生のしようがない。
畳ごと処分するしかなく、表面に付着した遺体残留物をできるだけ除去。
で、浸み込んでしまったものは除きようがないのでそのまま。
床から畳を上げ、ビニールでグルグル巻きにして部屋から撤去。
その下からは、若干のシミが付着した床板が現れたが、とりあえず、汚れた部分とその周辺だけ切除。
そして、空いた穴を、新しい木板で埋め、これで処理は完了した。
人生には、色々なことがある。
いいこともあれば悪いこともある。
故人には故人なりに経緯と事情があったのだろう。
かつては、故人にも家族があり、人並の家に暮らしていたのかもしれなかったが、最期は一人きり。
結局、最後まで近しい身寄りは現れず、何ともいえない寂しさを引きずったまま、作業はひっそりと終了した。
当然、管理会社は、当初の汚れと異臭を把握しており、当方の労苦に対して、「お疲れ様でした」「ありがとうございました」と礼を言ってくれた。
そうして、一人が亡くなった部屋の鍵は事務的に閉められた。
一仕事が終わって、何となく淋しいような、どことなく切ないような余韻を残して、当方は現場を後にしたのだった。
作業場所 | 賃貸アパート・2DK |
---|---|
依頼内容 | 汚染畳の処理、残置物の梱包搬出、簡易消臭、衛生消毒 |
作業時間 | 延べ7日 |
作業人数 | 延べ4名 |
作業料金 | 118,000円(税別)残置物処分費は別途 |
野田市周辺の対応地域
柏市 流山市 埼玉県春日部市 吉川市 幸手市 北葛飾郡杉戸町 松伏町 茨城県坂東市 守谷市 常総市 猿島郡五霞町 境町
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特殊清掃 遺品整理 消毒・消臭 害虫駆除
賃貸物件孤独死事例まとめ編⑯
部屋に住人が孤独死し、そのまま時間が経ってしまった案件。
現場は、二件共に賃貸マンション。
人には、それぞれ、自分ではコンロトールしようがない「寿命」というものがある。
また、「死」というものは、本来、時期も場所も選べない。
同じ自宅での孤独死でも、そこが自己所有の家なのか、または賃貸物件なのかによって、その後の事情は変わってくる。
「所有or賃貸」の「メリットorデメリット」は拮抗していると言われているが、孤独死が発生した場合は、賃貸物件の方が、デメリットが大きく現れてくる。
当然、住人側にとって賃貸物件は、制約が大きく、退去期日、原状回復、家賃補償など、こちら側の一存だけで進めることはできず、大きな負担を強いられることも少なくないのである。ゴミ屋敷清掃
ゴミ部屋・ごみ屋敷・本屋敷片づけ事例まとめ編㉒
「ゴミ屋敷」「ゴミ部屋」の片づけをした案件。
通常、「ゴミ部屋」「ゴミ屋敷」というと、日常生活から出るゴミが屋内・室内から排出されず、溜まりに溜まって、床が隠れるくらいにまで、場合によっては、天井に達するくらいにまで堆積するケースが多い。
しかし、一件は、このようなケースとは趣を異にしていた。
溜まっていたのは、生活ゴミではなく本。
「ゴミ屋敷」というより「本屋敷」「書籍屋敷」といったところ。
ただ、ほとんど紙ゴミだったため、仕分けの手間はほとんどいらず、その部分では効率的な作業だった。
もう一件は、ありがちな「ゴミ部屋」
多種多様のゴミが混合しており、更に、かなりの必要品も混ざっており、なかなか手間のかかる作業に。
同時に、取捨錯誤のトラブルを起こさないために神経を使う作業となったのだった。生前整理 その他 消毒・消臭
生前整理事例まとめ編㉙
昨今では「終活」とも言われるが、一件は生前整理の案件。
もう一件は、住人が亡くなったあと、しばらく放置された家屋の片づけをした案件。
昨今では、「断捨離」という言葉は一般化しているが、何も、それは物理的に、モノを“断ち”“”捨て“”離す“ことだけを指すものではない。
「モノに執着しない」ということの大切さを表す言葉でもある。
もちろん、持っているモノの中には、代々受け継ぐ価値のあるモノ、金銭的な価値が高いモノ、他の誰かが再使用できるモノ、社会が再利用できるモノもあるだろう。
しかし、結局のところ、命は有限で、人生には終わりがある。
どんなに愛着を持とうが、どんなに執着しようが、人は、すべてを手放して逝かなければならない。
そして、自分の身体はゴミ同然の灰骨となり、残されたモノのほとんどはゴミとなる。
そう考えると、断捨離の意味と大切さが、しみじみと理解できてくるような気がするのである。


