ヒューマンケアの事例紹介Example
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玄関の特殊清掃と消臭事例まとめ編⑪
住人が賃貸物件の玄関で亡くなり、しばらく放置されてしまった案件。
人生の終わりは、いつ どこで どういうかたちで訪れるかわからない。
相対的な確率で考えると、「老人や傷病の床にある人の方が亡くなりやすい」と言えるのかもしれないけど、それは絶対的なものではない。
言うまでもなく、特に病気もケガもない赤ん坊・幼児・子供・若者だって、常に、命を失う可能性をはらんで生きている。
事実、事件・事故・自然災害・戦乱などで、命を落としている人のニュースは、日々、途絶えることがない。
こういった特段の事情のない、日常生活においても同様。
体調が急変して亡くなった事案では、「昨日まで元気にしていたのに・・・」「さっきまでフツーにしていたのに・・・」といったケースがざらにある。
本件でも、故人は、亡くなる直前まで健常に暮らしていたはずで、実のところ、その死に一番驚いているのは、亡くなった本人なのかもしれない。
①孤独死腐乱【東京都江戸川区】
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現場は、街に近い住宅地に建つ1Rの賃貸マンション。
そこで生活していた住人が孤独死。
もともと重篤な持病があったのかどうかはわからないが、体調を崩した故人は、変調を落ち着かせようと、とりあえず布団に横になったのだろう。
しかし、調子が戻ることはなく悪化するのみ。
吐き気をもよおしてトイレにでも行こうとしたのかもしれなかったが、間に合わず、布団の隅に吐血。
それから、助けを求めて外に出ようとしたのだろうか、玄関へ。
救急車でも呼んでいたら、事態は変わっていたかもしれなかったが、「救急車を呼ぶより、外の誰かに助けてもらった方が早い」と考えたのかも。
しかし、外の出るまでの時間も与えてもらえず、そこで力尽き、そのまま息を引き取ってしまったようだった。
室内は、結構、凄惨な状態に。
部屋の吐血痕もさることながら、玄関は、もっとも重症。
遺体の腐敗はかなり進行し、大量の体液が流出。
この状況では、ある程度の異臭が外に漏れていたはずで、玄関に近づけば、充分に感知できたはず。
しかし、一番奥の当室は角部屋で玄関前を通る住人はおらず。
また、当然、遺体の腐敗臭を嗅いだことがある人って、一般に、そうそういるものではない。
つまり、玄関前に漂う異臭を感知したところで、それが遺体のニオイだと判断できる人は、まずもっていないということ。
結局のところ、発見が遅れてしまったことは、ほとんど不可抗力な出来事でもあるわけだった。
作業の内容は、玄関と血痕を主とした特殊清掃と消臭消毒。
道具や洗剤・薬剤は使うものの、基本的には手作業なので、もっとも駆使しなければならないのは、自分の身体。
慣れたこととはいえ、狭い空間での作業は負荷が大きい。
また、ニオイの問題があるため、玄関ドアを長く開けたままにもできず、それで、身体には余計に負荷がかかった。
見た目には、かなりきれいになったが、それでも、改修工事は免れず。
建材や隙間に浸み込んだ汚れは除去しきれず、ニオイや衛生上の問題があるため、最終的には、玄関土間・居室フローリング・天井壁クロスの張り替えまで施工。
ある意味で、“被害者”となってしまった大家も、部屋が原状を取り戻すと、気持ちが変化してきたよう。
「起こったことは仕方がないわけですから、新しく入居者を募集して、やり直すしかないですよね!」と、気持ちを前向きに切り替えてくれたのだった。
作業場所 | 1R賃貸マンション |
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依頼内容 | 汚染部特殊清掃・異臭の除去・遺品整理・解体・原状回復工事 |
作業時間 | 延べ3週間 |
作業人数 | 延べ5名 |
作業料金 | 220,000円(税抜き)原状回復工事含まず |
江戸川区周辺の対応地域
葛飾区 墨田区 江東区 千葉県市川市 浦安市
②玄関の特殊清掃【千葉県船橋市】
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現場は、賃貸アパートの一室。
その住人が急死し、しばらくそのままに。
出掛けようとしたところだったのか、帰宅したところだったのか、倒れた場所は玄関。
最期は、狭い玄関に座り込んでしまったのだろうか、土間に、うずくまるようにして亡くなっていたということ。
外とは、たったドア一枚を隔てただけのところだったのに、その異変に気づく人はおらず、時間だけが過ぎていったのだった。
発見のキッカケは、外部に漏れた異臭と、玄関ドアの下から流れた体液。
ただ、流れ出た体液は少量だったため、なかなか気づかれず。
そもそも、一体、それが何であるか、一般の人は知る由もないこと。
そのうちに、異様なニオイが漂いはじめ、それを不審に思った隣人が管理会社に相談。
電話にもノックにも応答しなかったため、管理会社がペアキーを使って開錠すると、変わり果てた姿となった故人が、開けていきなりの玄関に倒れていたのだった。
故人は、警察の手によって部屋から搬出。
しかし、主体がなくなったとはいえ、遺体から発生した腐敗体液は残留。
同時に、そこからは、悪臭が発生し続け、更には、ウジ・ハエも発生。
当方が出向いたときも、当たり前のように生存し、活発に動き回っていた。
とにもかくにも、まずは、この腐敗体液を清掃除去することが先決。
外から目立つ場所で、異臭も出ていたが、ドアを閉めたままの作業は困難で、できるだけ人目を避け、短い時間でやりきることを心掛けるしかなかった。
そうは言っても、ドアが開いている時間は、できるだけ短くするに越したことはない。
小刻みに開閉を繰り返しながら、
玄関土間は全滅で、コンクリートの下地には腐敗体液が浸透。
表層の清掃は、早々にやり切ることができたものの、染み込んだものを除去するには、コンクリートを剥離研磨するしかない。
そうは言っても、それは、ただちに着手できるものではなく、とりあえず、“シミ抜き”のような工法で対処。
結果、土間コンクリートには若干のシミが残ったものの防臭には成功し、その後の工事で、玄関は、きれいに復旧した。
「人が亡くなってしまうのは仕方のないことなのに、何となく、自分には関係のないことだと思ってました」
「しかし、他の部屋でも起こり得ることですから、これからは入居者に関心を持っていかないといけませんね」
「亡くなった人に失礼な言い方になるかもしれませんけど、今回のことは、いい教訓になりました」
大家は、多くのことに気づかされ、多くのことを考えさせられたようで、感慨深げにそう言った。
そして、専門業者としての当方の仕事ぶりも、高く評価してくれたのだった。
作業場所 | 賃貸アパート |
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依頼内容 | 特殊清掃、消臭消毒、遺品整理と残置物処理、原状回復工事 |
作業時間 | 延べ3週間 |
作業人数 | 6名 |
作業料金 | 180,000円(税別)原状回復工事は含まず。 |
船橋市周辺の対応地域
習志野市 八千代市 市川市 鎌ケ谷市 白井市
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特殊清掃 遺品整理 消毒・消臭
孤独死した遺体が腐敗してしまった事例まとめ編㉚
住人が孤独死し、その遺体が重度に腐敗してしまった案件。
動物でも植物でも、命を失ったものが物理的に朽ち果てていくのは自然の理。
それは、ウジやハエ等の虫をはじめ、細菌やバクテリア等の微生物、つまり、“新たに生まれた命”による業。
その環境があれば、人間の肉体も、“彼ら”の手を借りて土に還ることができるのだが、わが国の葬法は火葬が主体であるから、現実には、難しいところがある。
ましてや、孤独死の後の腐乱となると、厳粛に火葬することすらままならないことが多い。
人が死ぬことも、その肉体が朽ちていくことも、自然の摂理であり、自然の現象なのだが、それを冷静に受け入れることができないのも、また人。
ただ、生まれること、生きること、死ぬこと、すべて“生命の営み”なのだから、現場の凄惨さばかりに心を奪われることなく、人の人生を大切に想うようにしていきたいものである。