ヒューマンケアの事例紹介Example
依頼者不在の案件・依頼者了承を得た案件のみ掲載をしています
訪れた現場は、北関東の某市。
田畑や空地があちこちにあるような長閑なところ。
目的のアパートは、そんな広々としたところに建っていた。
訪問時、もちろん男性は在宅。
ゴミ部屋を晒す気マズさがあってだろう、少しオドオドした様子で出迎えてくれた。
間取りは1K、完全なゴミ部屋。
当然のごとく床は見えておらず、低いところでは脚のスネくらい、高いところではヒザくらいまで堆積。
日用品・食品系・雑誌・衣類など、日常的なものが混在。
中でも目立ったのは酒に関係するもの。
ウイスキーの空瓶、ビールやチューハイの空缶、ロックアイスの容器や袋等々、そういったものが大量に放られていた。
ただ、幸いな点もあった
それは、残飯類がほとんどなかったこと。
缶・ペットボトル・弁当容器などは、飲み残しや食べ残しなくすべて空。
ゴミに飲食物が混ざっていると、腐って異臭が生じ、虫も涌く。
深刻な場合、床や壁などの内装建材を汚損することもあるので、それが回避されていただけでもかなりマシだった。
ゴミの量は多くても不衛生物が少なかったこともあり、作業は難なく終わった。
ただ、ゴミ部屋の主は、一度片付けても再びゴミを溜める可能性が高い。
「もし、またゴミが溜まるようなら早めに連絡してください」
「その方が費用も抑えられるし、生活もしやすいですから」
当方は、半分は冗談、半分は忠告のつもりでそう伝えた。
しかし、それが冗談ではなくなった。
その翌年、男性から再び連絡が入った。
一年分のゴミだから、初回に比べたら少量。
床は見えていなかったが、山積みにはなっておらず。
従前のとおり食品や腐食物もなく、作業はスムーズに進行した。
そしてまた翌年も、また翌年も依頼は入ってきた。
もはや、顔なじみの常連客で、男性の部屋も“勝手知ったる他人の家”。
料金は定額化し、作業内容も定型化。
電話一本で決めるのは作業日のみ。
現場でも特段の打ち合わせは要さず、男性は「いつも通りで」とだけ告げて、作業中は外出した。
何回目らは、風呂・トイレ・洗面所・キッチンシンクといった水廻りの清掃をサービスで施工するように。
数年分の汚れがあった初回は特殊清掃となったが、二回目からは一年分の汚れのみ。
そんなにハードな作業にはならず、男性もそれをアテにするようになっていた。
以降も、夏前になると連絡が入ってきた。
結局、その付き合いは十年近くに及ぶことになるのだった。
作業場所 | 賃貸アパート1K |
---|---|
依頼内容 | ゴミの梱包搬出 |
作業時間 | 5時間 |
作業人数 | 2名 |
作業料金 | ― |
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ヒューマンケアの事例紹介Example
特殊清掃 遺品整理 消毒・消臭
孤独死した室内の特殊清掃事例まとめ編㉛
住人が孤独死し、発見が遅れ、その遺体が深刻な状態になってしまった案件。
二件とも、自己所有の一戸建で、亡くなった場所は和室。
当然、敷かれていた畳は酷く汚染され腐食。
著しい悪臭と害虫も発生し、そのままでは遺族も立ち入れないレベル。
しかしながら、それは、故人が意図したことではなく、もちろん、悪意もない。
ある種の不可抗力、抗いようのない自然現象。
また、我が身を顧みると、“老い”も“死”も他人事ではない。
凄惨な現場につき作業も過酷なものになるため、頭も身体もそっちへもって行かれやすい。
しかし、そればかりに気をとられてはいけないように思う。
アカの他人であり、ただの業者であるわけだから、遺族と同じように、その死を悼むことはできないけど、少しでも、その死を厳粛に受け止める心を持ち続けていくことが大切なのではないかと思うのである。


